これから水彩画を始める方へ
これから水彩画を始める方へ
このページで紹介する内容です。
・水彩画の画材の基本
・水彩画の描き方
水彩画の画材の基本
水彩画の世界にようこそ!
水彩画はシンプル、安価、奥の深い画材です。ここでは水彩画に必要な画材から紹介していきます。
必要な画材は以下の通りです。それぞれ下に説明があるため参考にしてください。
- 水彩筆
- 水彩紙
- 水彩絵の具
- パレット
- 水洗バケツ
水彩筆
水彩画の筆選びについて、そこまで繊細に悩む必要はないと私個人は考えています。
初心者の方で手始めにするのであれば市販のナイロンの筆で問題なく描くことができます。
細かい描写を行いたい方は面相筆という非常に細い筆を使用することをお勧めします。
ただ細い筆は保水力に乏しいことはご留意ください。
以下は費用が気にならない方へ
それでも外せない要素はあるにはあります。
外せない要素は保水力・太さ・形です。
筆の硬さは描き手が調整すればいいです。
水彩画は、にじみ、ぼかし、こすれた筆跡などが表現技法として非常に重要になります。
そのため保水力のある筆を使用すれば表現の幅を広げることが容易になります。
逆に保水力のない筆を選べばカスレなどの表現の幅にもつながります。
保水力のある、水彩画に適した筆はコリンスキーのキャッツタンの水彩筆です。(私個人は愛用しています。)
キャッツタンは先端が細いため細部の表現も可能になります。
平筆でも端っこを使って描き込むこともできるにはできますが、、(笑)。
キャッツタンのほうが使いやすいかな、、。
値段が高価なため人を選ぶと思いますが、こだわる方にお勧めです。
その他水彩筆の違いについて、ほかの個人ブログでまとめているものなど参考にしていただければと思います。
水彩紙
水彩紙は水彩画を描くにあたって最も重要な画材だと考えています。
やや高価ではありますがコットン100%の画材をお勧めします。それでも高価だと考える方はヴィファールがおすすめです。
水彩画を描くにあたって最も重要な要素は水に耐えることができる紙を選ぶことです。
学校の授業でべこべこになったり、表面がはがれて絵具が乗らなくなったり、ひどい場合穴が開いたり破れたりした経験があるかと思います。
これは紙が水に耐えられないことで起きる現象です。
水彩画では水を使ってにじみ、ぼかしを表現するため、水に耐える紙を使うことが必至になります。
そのため水に耐えうる紙としてコットン100%の紙がおすすめです。
特におすすめは”WATER FORD“、”Strathmore“です。
個人的にはパリッとした表現がしやすいのがWATERFORD、ぼやっとした粒子感を表現したい場合Strathmore、という風に使い分けしています。
この点については別のページで解説したいと考えています。
g/m2については300g/m2が無難です。またcold pressの中目が標準的で扱いやすいです。
サイズはF4、F6などありますが描きたいサイズを選んでいただければ問題ありません。
金額は1枚数百円かかりますので高いと感じる方はヴィファールを選択してください。
水彩絵の具
初心者はクサカベかホルベインが値段的におすすめです。
描いているときは混色を基本的に使用するため、12色セットを購入すれば問題ないと考えます。
どちらのメーカーも色合い鮮やかですのでお好きなほうをお選びください。
注意点は白の絵具は水彩画では使用しない点です。
水彩画は白の絵具を使わず紙自体の白を残す、または紙を切って白を作る(かなりニッチな手法ですがナイフを使う方もいます)ことで白を表現するのが基本です。
基本的に白の絵具は不要です。
パレット
水彩画のパレットは何でもよいです。私個人は100円均一の陶器や使い捨てパレット、学生の頃のプラスチックパレットを使用しています。
ここはこだわらず使いやすいものをお選びください。
水洗バケツ
水洗バケツは大きいものを1つ必ず確保してください。また、小さいものも数個用意していただいたほうが効率的に描くことができます。
水彩画は淡い色を描く際、かなり薄めますが水洗バケツから水を取ったときに、汚れた水だと狙った淡い色が表現できなくなります。
5L程度の水が入る大きい水洗バケツを使えば、洗った後の水の濁りが目立たないため、個人的にはおすすめです。
私個人は付近のホームセンターで購入したものを使用しています。
水彩画にかかる費用
私が学生の頃に水彩画を始めるにあたって最も気にした要素です。
ここまで紹介した水彩画の費用は約1~2万円程度です。
こだわれば4万円程度の費用にはなりますが、上記の用具であれば1~2万円で十分そろいます。
ぜひお金のことは心配せず水彩画を楽しんでください!
水彩画の描き方
いざ画材をそろえて水彩画に挑戦!
ここからが楽しい内容ですが、描き方は人それぞれ。
紙を水に数分漬け込んでひたひたにする方、お風呂のシャワーを使う方まで多種多様です。
ここでは私個人の考える基本的な書き方を紹介します。
1.下書き
親の金言です。私が調子に乗って描いてた時に言われました。
水彩画もそうですが見たものを正確に描写する能力はすべての絵において大変重要なスキルであることは間違いありません。
しかし水彩画も画風によっては正確な下書きは重宝されないと考えています。
・写真のような水彩画を目指している人、人物画系、風景画⇒正確な下書き(ただし薄く鉛筆で書く)
・モダン系の色のピースを重視する絵を目指す方、花、風景画⇒大体の下書き(何がどこにどれくらいの大きさであるかを薄く鉛筆で書く)
水彩画は下にあるを思いっきり反映してしまうので影を鉛筆で薄く入れるなどは絶対やめてください。
アウトラインを描写する程度で書いていけばオッケーです。
2.色のベースを敷く
絵の具をしっかり水でやや濃いめに溶いて色を付けていきます。
色はPCCSの赤丸で示した明度や彩度の色で塗ってください。
ここで暗い色を塗ってしまうと、後からどんな色を重ねても下の色が出てきて修正が利かなくなります。
水彩絵の具は乾くと淡くなるため、濃いめでしっかりと最初は色を付けます。
少し鮮やかすぎるかな?と感じるくらいがベスト。
色を付けていきます。
色を敷くことができたら次の色を敷くまで紙を十分乾かします。
3.濃すぎない絵の具で塗っていく
先ほど塗ったところの上から濃すぎない程度の絵の具で色を重ねていきます。
ここで下の色がかなり強く反映されることを実感できると思います。
水彩画はこのステップまでで重ねた色が、絵の中の基本的な色を決めます。
しっかり狙って重ねていきましょう。
水彩画の技法はこちらで詳しく紹介しています。
水彩画の技法
4.締めに黒よりの色を重ねていく
締めに黒に近い色を重ねていきます。
水彩画では黒などを早いうちに埋めてしまうと上からどのような色を重ねても黒になるため最後に塗るのが鉄則です。
ここのステップは慎重に行ってください。
間違えてしまうと容易に修正できません。
ゆっくり、ゆっくり。
5.サインを入れて完成
最後に自分のサインを入れて完成です。
以上が水彩画の基本的なざっくりとした描き方の説明でした。
これはあくまで私の描き方になりますので、皆さんぜひご自身の描き方を確立していただければと思います。